「運動療育」という言葉を分けて考えると・・・
「運動」➔健康のため、身体を鍛えるため、楽しみのため、などといった目的で身体を動かすこと。
「療育」➔障がいのある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助すること。
・・・とあります。
完全にイコールではありませんが運動を行い、身体を動かすことによって脳や身体を刺激し、障がいのある子どもの発達を促していくことが「運動療育」であると(大雑把ですが)捉えてください。
子どもの障がいには様々なものがあります。
知的障がい、学習障がい(LD)、注意欠如・多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)などが代表的なものになるでしょうか。
これらの原因は不明なことが多く、先天的な要素に加え、様々な環境要因が重なって起こると言われています。
障がいの根本的な治療は困難ですが、医療を代表とした様々な分野からのアプローチが効果的であるということも明らかになっています。
そして、「療育」分野の中のさらに運動に特化した「運動療育」からのアプローチもまた一定の効果を得ています。
繰り返しになりますが、「運動療育」とは様々な運動を行うことにより、脳や身体を刺激し、障がいのある子どもの発達を促していくことです。
本来、運動スキルは自然の中での遊びや体験等によって強化されていくものですが、時代の変化と共に子どもたちの置かれる環境も変わってきています。
外に出て遊ぶことが少なくなり、川や森で走り回って遊ぶ機会は減少しているのではないでしょうか。
また都市圏の子どもたちの通学手段が公共交通機関となっているところもあるかもしれません。
より安全・便利な方向に環境が整いつつあると同時に身体を動かす機会も少なくなってきているということですね。
本来自然に強化されていたはずの運動能力を育てる機会が少なくなってきています
そこで、こどもプラス篠ノ井教室はその機会を自然にではなく人工的に提供し「運動療育」を中心とした専門的なプログラムを用いることによって、日々子どもたちの成長に繋げていきます。
こどもプラス篠ノ井教室ではSST(ソーシャルスキルトレーニング)を支援内容の1つとして取り入れています。
ソーシャルスキルとは、集団行動をとったり、人間関係を構築したりする上で必要な技能のことです。具体的には、授業や集団活動に上手に参加したり、友だちや大人と円滑にコミュニケーションをとったり、友達を作り、その関係を維持したりすることを指します。
一口にソーシャルスキルと言っても様々なものがあります。それは人の話を聞く能力であったり、待つ、挨拶をする、感情のコントロール、スケージュール管理だったりと多種多様です。
障がいを持つ子どもたちはこのようなスキルを年齢に即して身につけることが難しいと言われており、私たちこどもプラス篠ノ井教室では「SST」の時間を設けてソーシャルスキルを身につけるためのトレーニングを行っています。
こどもプラス篠ノ井教室において、SSTは「運動療育」後の時間に取り入れています。
一般的に、運動後しばらくの時間は脳が集中状態になりやすいとの研究結果が報告されていることから「運動」→「SST」という流れを基本として支援プログラムが組まれています。
もちろん、それぞれの子どもによって必要とされるスキルは異なってきます。したがって「今その子どもにどのようなスキルおよびその強化が必要なのか」を重視し、小集団でのグループSSTも行っています。
みんながみんな同じプログラムでトレーニングを行っても効果が薄く、または逆効果なこともあります。SSTにおいてはその子どもに今必要な能力に焦点を当て、支援を組み立てていくことが何より重要となります。